偏食観劇屋

色々見たい、偏ったエンタメファン

ビリーエリオット2020

シラベビリー2回目。コウタロウマイケル2回目。

初日には気付かなかったけど、コウタロウマイケルがとても良かった。泣かされた。キスされた後ビリーを見る何とも言えない困ったような切ないような表情、またなビリーの後の辛そうな表現で見送ってからの小さなため息。あんな情緒のあるお芝居をしていたとは。

ダーラムの大聖堂すら見たことがない、ロンドンどこ?って感じの時代だろうから、またな、と言いながらまた会えるかどうかわからない別れなんだろうなと思う。

シラベビリー、今日は汗だくで渾身のダンスとお芝居。キラキラの汗が眩しい。そして笑顔たくさん。

アングリーの最後起き上がった時といい、ソリダリティでバレエが上達していく時の表情といい、目に宿るあの光の強さなんなんだろ?目が離せなくなる。

だんだんみんな、椅子と仲良しになってきたね。しっかりバランス取ってポーズ決めてる。今回どのビリーも何か起きても失敗しても全く動揺せずにビリーとして切り抜けてるから一見わかりにくいけど、ぐんぐんと良くなって実力出し切れてる感じ。

クリスマスシーンたまたま目に入って見入ってしまったのだけど、マギーコントやら人形劇やらしてるときにジャッキー1人で泥酔しててすでにボロボロなのね。死んだサラのこと1人で思い出してるんだろうなという印象。クリスマス1週間前なんてタイミングで死なれたら、そりゃ盛り上がらないよな…。むしろ良くあのフォークソングあそこまで歌えたよね、と思うくらい今にも泣いてしまいそうな酔いっぷり。たまに目の前を通る子供に笑顔見せたりしてるけどかなりヤバい状態と見た。

He could be a starからのシーン今日は炭鉱夫の仲間たちばかり見てしまった。裏切ったジャッキーのことをBIG デイヴィもはっきりと怒ってるんだよね。でも同じ苦境にいるもの同士で争うなんて、奴等を喜ばせるだけ。奴らはオレ達同士で潰し合えば楽だと思ってる。権力者の常套手段。

じゃあどうすりゃいいんだという炭坑夫に誰も言葉がなくて…行き詰まる現状が辛い。

スト破りが何しに来たかわかった瞬間の炭坑夫たちの表情がまた辛くて泣かせるんだよね。

汚い金!と、トニーのようには言い切れない、結局自分達には出せないものをスト破りは出してる。きれいでも汚くてもビリーを救えるお金には変わりないから。労働者の誇りなんて強がってもこんな時に力にもならない無力さ、やりきれなさが伝わってくる。

ビリーが父ちゃんにこれ使っていい?と聞く時にも黙って座るしかない。裏切り者の施しなんて受けたくない。でも代わりに自分に何が出来る??何もできない…。

今の行き詰まった日本で生きる人には響いて仕方ないと思うんだよな。1番共感できる人が見れない(見ない)ということも確かだけど。