この前のクールで1番おもしろかったドラマが「あしたの喜多善男」でした。
エンドロールに原案が出ていて終わったら読もう!と思ってました。
これはこれで面白かったです。
空気感が全然別ものだけど、そこがいいのかも。
ただこれを読んでドラマがいかに上出来だったか改めて感じました。
小説のどこを使ってどこを使わないかのさじ加減が絶妙なのです!
例えば人物設定。
もしかしたら自由死刑の中のちょっとテレビ向きじゃない「酒池肉林」をバッサリカットするために主人公をさえない中年にしたのかもしれないけど。
(個人的にはわっかりやすい酒池肉林より、マニアックで奇妙な小指のおじさんとか足裏マッサージとかの方が気持ち悪くて好き。あのセンスもたまらない!)
もしくは小日向さんを使う前提だったのか。
平太さんも全然年齢設定が違ってこの2人の関係性はかなりオリジナルなのだけどすごくよかったし。
そのくせしのぶちゃんと殺し屋の設定は、かなり小説のイメージに忠実だったりする。
この2人、小説とドラマとやってることは色々違うんだけどドラマで描かれてる人物像が、小説に描かれてる行動をしそうだよな、って雰囲気があるのがおもしろかった。
同じシーンは書いてないけど同一人物に思えるっていうか。
他の人物は明らかに別人設定なんだけど。
すごいな~と思ったのは南さんといオリジナルキャラ。
原案のストーリーにサスペンス性もプラスされててよりエンタメ。
もともとのストーリーがあるのをこうやって面白く変えちゃうのってすごいなあと。
ああいうのってどうやって創っていくんだろう??
「原作」の場合違った結末にしたり、登場人物の性別を変えたりってよくあるけど
すでに完成しているストーリーから別のものを作るって想像がつかない。
本歌取りみたいなものなのかなぁ??