偏食観劇屋

色々見たい、偏ったエンタメファン

2回目!

もっかい見たーーーーい!!!

DVDとかじゃなくて生で。

ここの劇団、再演とかまだないのかな?

いやいや、再演じゃだめなんだよ。

このキャストでこの時にもっかい見たい。

初見の時はいちいち連想しちゃって泣けたけど、2度目はストーリーがわかってるだけに先走って涙。

超ど真ん中の良い席で見させてもらっちゃってラッキー☆

最前よりも見やすくてちょうど目線なの。

カーテンコール(カーテンないけど)で完全に図書サマの立ち位置ド正面だった[emoji:i-237]

踊りがね、生きることそのもの。

楽しげに踊ってないの。必死なの。それが泣ける。

それで思い出したのが、夏祭浪花鑑ね。

私が見た地方公演では地元から募集した人たちがあの踊りのシーンに出てて。

なんかもうその人間の生命のパワーに圧倒されちゃって涙が止まらなくってさ。

それを思い出したなー。

「あやかしが人を殺めたら鳥になる」

なんて美しい脚色なんでしょう!

毛利さん、あんなただのおっさんって感じなのに(超失礼)

鳥になると話もできない。

童子だった鷹の淡々とした台詞が切ない。

最後には2度目の恋敵を富姫の元へ案内するんだけど、それがいいんだよな~。

「そうしたかったからそうした」みたいな淡々とした感じがいい。

あやかしは人を慈しむものだから?

なんか、人間の暑っ苦しい感情とは違うように思った。

富姫に幸せになって欲しい!とか、お前に富姫は任せた!みたいな。そういうんじゃなく。

侍女も亀姫も消えてしまってからの薄さんと富姫のシーンもめっちゃグッときた。

自分を殺そうとしてた亀姫に、ただの戯れなのにと嘆くのも「あやかし」らしいちょっとずれた感覚。

薄さんが貴女が望むなら鳥になりましょうって言うの、ホント切なかったー。

そして鳥絡みで最も号泣シーンは、図書之助が弟を殺そうとする富姫を止めるシーン。

だってあやかしは人を殺したら鳥になってしまうんでしょう?

富姫愛され過ぎーーーーT^T

愛し合う男女が抱き合って泣いてるのとか、よくよく考えたら非常に冷める光景だけど、物語に引き込まれてる私にはうわ~ん!![emoji:i-240]切ないよーーーーっって。

ラストシーンにまた踊りを持ってくるのが巧い。

この踊り、ちょっと夢に出てきそうなくらい不気味な迫力がある。

原作の通り目が見えなくなった2人の前に、獅子頭(と思われる)人物が覚悟があるなら目を直してやると言われて、この世の行く末を見るというシーン。

ここの図書サマの台詞がまたすばらしいんだよ!!

富姫はあやかしは絶えてると言う。

図書之助は人間は今と何も変わらず弱い、けれど生きているという。

大きなことを成し遂げなくても慎ましくても「生きてる」って奇跡が本当に大事なんだなと思わせてくれる素敵な台詞なのです。

どんなでも生きたいのか、こんななら死んだ方がマシなのか。

この辺りが脚色で加えられた重要なテーマなんでしょうね。

震災の前と後と、どのように変わっていったのかわからないけど、影響を受けないはずがない。

野田さんといい、毛利さんといい、演劇の人ってすごいなーと思う。

フィクションはノンフィクションになった。