偏食観劇屋

色々見たい、偏ったエンタメファン

スリルミー

スリルミー感想書いてなかったじゃん。

紛らわしいので「私」は「レイ」で書きますよ。

急遽縁が合って見に行くことになったらち&こにペア。

らちくんの出演決まった時から絶対これは好みの舞台だって思ってて

だけど余裕がなくてうーーーーーんって思ってた演目。

結局後々になってチケット探したけどなくて諦めてたら思いがけず譲っていただけることになって。

なんていうか、見終わった後によかったってすぐならない舞台でしたね。

ストーリーはだいたいわかってたし、途中のレイの逆襲もそれほど衝撃ではなかった。

なのでなんというかええっ!?ってことはなんにもなく淡々としてたんですよ。

ただ、なんかひきずる。

他のペアを見た人がいろいろ比較をしててそれも面白いし、

「私」と「彼」ってなんだろう?ってじっと考えてるのも面白い。

私はあのペアを見て、彼はいつも辛そうでレイは最後は幸せそうだった。

そう、レイは幸せそうだったんだよなー。

すごい悲劇にも思うんだけど、よかったねってなる。

それがなんか不思議だったの。

だって彼は結局死んでしまって、レイはその後ずっと1人だったはずだから。

レイが彼を殺すのかと思ったって友達が言ってだけど、確かにそういうのもあるよね。

愛する人を殺して永遠に自分のものにするみたいの。

でもそうじゃなくて二人で一緒にいるってことを求めてたと感じたから

なぜもう1人なのにあんな幸せそうだったのか…って思う。

私はそれまでの尋問シーンに不幸な空気を感じていたから彼は自殺したのかと思ってた。

レイの狂気的愛に耐えきれなくなって…って。

もう1人であることは途切れ途切れの尋問シーンでなんとなくわかってたから。

なのに囚人同士の争いで亡くなったなんて。

もしかしたらレイはそのことに怒ってるんじゃないかとも思ったけど、そういう感じは受けなかったな。

でもそういう解釈で役作りすることもできるでしょう?

なんてバカな死に方をしたんだって。そんなつまらないことで自分を1人にするなんてって。

彼は家族に対してすごくねじれた思いがありそうだったね。

弟を標的に父親から身代金を取るなんてさ。

ああ、カインとアベルって連想もわいた。永遠のテーマだね。

レイは彼が大嫌いな弟に取り行っててそういうところはうまい。

序盤の過去シーンは彼が犯罪に手を染めるのを怯えてるし、まっとうな人ぽく描いてるけど

そういうちゃっかりしたところは最初からあるんだよね。

父親に溺愛されてることを自覚してるところも黒いなぁって思う。

優しい炎は唯一穏やかできれいな曲だった。

状況考えるととっても場違いなのだけど…あれだけが穏やかなシーン。

あとはずっとキリキリ張り詰めていて攻撃的。

らちくんの歌はちょっと聞きとりずらいとこがあったなー。

逆に契約書のシーンはすごく迫力のある歌だったね。

あれは婚姻届でもあって、そして契約社会ならではの設定よね。

お互いが裏切らないよう、心ではなくて紙切れで繋がる・・・歪んでるよなぁ。

彼が血のサインをやったことがあるって言った時、レイがえ?って顔で彼を見たんだけど

私もいったい彼は誰とどんな契約をするのに血のサインをしたの??って思った。

私に同化しちゃって咎めるみたいな気持ちで見てた。

それから電話のやりとりのシーン。

顛末を知ってからもう1度見たいシーン。

レイがどんな表情だったか、もう1度見てみなくちゃって思う。

事件のシーンのレイの同様っぷりと、その後の展開を考えると

レイにとってとんでもないことなのはひたすらに人を殺すことだけだったんじゃないかと思えてくる。

それだけがイヤだっていうのはわかるけど。私も。

らち萌えで言ったら一番よかったのは護送車での逆転劇を語るところの表情。

それからあおむけになって両手を投げ出してるところ。

ほんと色っぽくってきれいだった。

わざとだったんだってことを告白するシーンは、微笑んでるのね。

それも不敵な笑みってほどふてぶてしくもないし、やっと二人きりだね♪っていう乙女っぽさも

いたずらっこみたいな無邪気さもなくって、ただ静かに美しくにっこりしてるの。

それが本当にきれいな笑顔で新鮮だった。

途中護送車のシーンでセンターのステージが一部低くなって

そこに座ってからのあおむけだったのだけど、これもね~穏やかな表情しててきれいだった。

あんな舞台のあんなシーンなのにすがすがしくて。

ああ、もちろんちゅーもね!

これはびっくりだったよー。

内容的にはあってもおかしくないけど、あるならどっかでネタばれしてそうじゃん。

かなり濃厚なシーンで、レイが嬉しいけど切ない雰囲気で・・・

余裕があったら他のペアも見たい。

けど好きな舞台?って言われるとよくわからない、そんな舞台でした。

当初、あの設定の役に抵抗があるようなこと書いてたけど、

狂おしく彼を求めるレイが伝わってきて、息苦しかった。

きっと後々までらちくんにとって大きい経験になっただろうな。