偏食観劇屋

色々見たい、偏ったエンタメファン

ブエノスアイレス午前零時

お誘いいただき見てきました。

2階席最前列だったんだけど、この舞台を見るには遠すぎた。劇場が広すぎる。

あるいはテンポが遅すぎるし演出がサッパリし過ぎている。

ブエノスアイレスの売春酒場の末端で働くニコラスと東洋人の女、大手広告代理店をやめて田舎の温泉宿でやはり末端の仕事をしている風間と、そこにやってくる老婆。

ブエノスアイレスの話は老婆の過去なのか、作り話にのかはわからない。

けどそこにある、もがいてももがいても抜けられない焦燥感がね、演出上足りないのです。

競うように踊る男達と売春婦に明日があるものなんていない、という切羽詰まった息苦しさとか、床に落とされる女を買うための金を這いつくばって拾い集めるニコラスの屈辱、焦り。

もっと濃密で猥雑な空気が欲しかったなー。

タンゴもなんだか淡々としていた。

最後の見せ場であるはずの、唯一のニコラスと風間のダンスもなんだかなんだか…。

ロコへのバラードの圧倒的なアルゼンチンタンゴ(あっちはプロだけど)を見たり、この前のビリーの怒りのダンスを見た後では物足りない。

ストーリーは好きなやつだと思うんだけどね。

ボールルームのタンゴも懐かしかったし。

美織ちゃんはキリッといい役をやってたし、ダンスもきれいだった。

剛くんはもう少しタンゴらしい踊り方を教えてあげて欲しかったな…。背筋がちと残念。

久々にみたまりかちゃんは、なんか癒される子だなぁと思った。

かわいい声が特徴的なんだけど、キンキンと耳障りじゃなくて、柔らかくて。

老婆にお姉さんよばわりされてもすんなり受け入れてきまうような包容力。

しかし観劇じんの嗅覚っていうのか、なんだかイマイチだったなーと思う作品には人が入ってないよね。

いいなと思うものにも入ってなかったりはするんだけども、、