偏食観劇屋

色々見たい、偏ったエンタメファン

悲しみよ、消えないでくれ

前回の初演は2015年でした。

友達を誘っての再演。

細かいことは忘れてたけど、でんでんおとーちゃんの苦しみは心のどこかに深く刻まれてて。まだその時が来ていないのに、泣けて泣けてしょうがなかった。

展開を知ってるだけに私の注目するところも変わってて。おろしてくれ、という話を聞いてる時の不妊夫婦の旦那の表情とか。姉を愛してるという男に向ける妹の視線とか。

今回もでんでんおとーちゃんの歌が沁みに沁みてはなみずまで止まんなかったけど、行かないでくれというセリフに、老いた孤独な人間の淋しさも感じて。娘に死なれ、娘に出ていかれ、なんだかんだ頼って来た男も追い出さざるを得ない。

あの時またあのゲス野郎がゲスな言い訳をして残ってくれたら、その方が幸せだったんじゃないかとさえ思う。ゲスな言い訳に騙されたふりして和解して、それでも孤独より良かったのではないかと。