偏食観劇屋

色々見たい、偏ったエンタメファン

ヘンリー5世

ちゃんとしたシェイクスピアを見たことがない、ってずっと思っていたけれど、ちゃんとしたもちゃんとしてないもないのだなと悟りました。

みんな自由に演出して台本カットして脚色してる。

というわけで見てきました。

前情報でアジンコートの演説がほぼカット!ありえない!とか、吉田さんのギャグ満載とか、よろしくない話は目に入っていたので構えが出来てて、結果とても面白かった。

アジンコートの演説は確かに一瞬で終わり、原作をきちんと知らない、でも展開は知ってるわたしにも物足りなかった。辻褄が合わないというほど理解してなかったけど単純に桃李くんの良い声の語りをもっと聞きたかった、浸って居たかったという感じ。実際わたしはあのシーンで泣いたのだから。

吉田さんらしいネタについては色々とこれ削れば演説いけたんじゃ?というシーンがあったけどほとんどはスルーできた。けどネギとピストルのシーンは本当にいらない。無駄に長いしつまらなかったしネギ(>_<)ってなった。だってネギが好きなんだもん!

ラストのキャサリンのシーンもちょっと間延びしたなぁ。あとフランス訛りの英語の表現がほとんどコントで、キュンキュンするようなやりとりとは程遠くて、ホラークラウンに想いを馳せてしまったり。

もったいない。英語を覚えるシーンは良かったのに。

中河内くんはメインの役ではなくてなかなか役者の力量が見えづらい役だったけど、あの経験は本当に宝物になるんだろうな。本人とっても嬉しそうだし、わたしもこっちの中河内くん見る方が楽しいので是非このまま突き進んでください。

桃李くんはとても良かった。悩める王が似合ってたし、独特のリズムを持った台詞がちゃんと届いてきた。

そしてフランス王の横田さんがめちゃくちゃ素敵な声で良かったのだけど、このシリーズにずっと出てる役者さんなのね!あんなに心地よく耳と心に入ってくる声はないってぐらい。

余裕があったらまたこのシリーズは見てみたい。とりあえずホラークラウン見直したくなるやつでした。あと原語で演説の部分読んでみたい。

ホラークラウンでは1番面白くないのがヘンリー5世(ほぼ戦争してる)だったのだけど、生で見たら面白かったので、苦手意識が強いシェイクスピア歴史物だけど、やっとちょっと興味が出てきた。