見てきた。
最初にリキ、その後カズキさん。
リキのオリバーは役の設定にピッタリ。真っ直ぐな視線、ボロを着てても感じる品の良さ、自分の心に従う強い心。お芝居をしなくても元々持ってる資質がオリバーなのだもの。
歌はどうなんだろう？と思ったら意外と悪くなくてキレイで丁寧な歌。声変わり後の声は初めて聞くからなかなかに衝撃でしたが。
ほんのワンシーンだけあるダンスシーンは懐かしくてとっても嬉しかった！唐突ではあったけど見せてくれてありがとうという感じ！
衣装も似合っててかわいかったな。
ボロボロのもかわいかったけど、キレイな貴族のお洋服はホントピッタリ着こなしてて。さすがハイソなお宅の子！
カズキの方はとにかく歌を期待してみたようなものなのだけど、そもそも曲があまり良くない。誰も同じような曲だし抑揚やドラマチックな展開のない曲で、説明的な歌詞ばかりで歌いにくそうな。歌い上げるところはひとつもなくて、もったいない感じ。
ただまだ年齢的に声も安定しないだろうから、あまり歌い上げるようなものだと喉を痛めちゃったりするのかなぁとも。
そうなると、友人が言ってたようになぜこのタイミングで上演？ってならなくもなく。他の作品じゃダメだったのかと。そもそもオリバーの役はビリーくらいの子の設定らしいので、わざわざ2人を出すために設定を変えてるわけで。
が、カズキさんはダンスが良かった！！久々に見たけど、卒業してからますます歌の人のイメージが強かったので忘れてたわ。この子ダンスも良いのだった。激しめの逃走シーンなんだけど美しかった。
さて。ストーリーは、救貧院から子供達にいじわるされて追い出され、買われた先でも逃げる羽目になり、濡れ衣の犯罪に絞首刑になりかけ、貴族に助けられるも拉致され。散々なのでした。
でも最後は貴族のお家の孫とわかりハッピーエンド。設定もストーリー展開も色々違うけど、どことなくHer Bennyを思い出した。
ストリートチルドレンだったり、お金持ちに助けられて暮らしが良くなったり、と思ったら犯罪の濡れ衣を着せされたり。
そこにやっぱりHer Bennyの時と同じ、元ビリーが出てるもんだからきゅんとしてしまったよ。そんな意味でもつい最初に見たリキオリバーに肩入れしがち。
素晴らしかったのは、ほぼ準主役の神田さん。ロンドンまで歩き続け倒れてたオリバーを助けてくれた盗賊団の青年ドジャー。歌が素晴らしくてお芝居も良かった。誰もが恐れる悪党ビルの彼女ナンシーを思う気持ちが溢れてて切なかったなぁ。セリフにはほとんど表現されなくて、動きや表情、目線で伝わってくるお芝居。ビルがオリバーを殺そうとしてて、そんなやつを愛してるのか？と非難したつもりが、決まってるじゃない、だから彼が殺人を犯すのを見たくないんだとナンシーが言った時の表情が良かったなー。ドジャーはそこまで愛が深いと気付いてなかったんだよね。
あと子役たちがすごく芸達者で。
頭良かったし、生き生きとした表情も良かった。
救貧院で、オリバーにいじわるでおかわりって言えやとけしかけたあと、予想以上に大人たちの怒りを買って追い出されるオリバーを見て、やってしまったことの深刻さや大人たちの残忍さに凍りついてる顔を見てたら泣けてきた。
盗賊団の親玉のじいちゃんが捕まった時も泣いちゃったなー。ここからまたスターが生まれるのかな？
作品としての出来はそれほどでもなかったけど、実力ある脇に支えられていいお芝居になっていたと思う。
これで、サロメ(サクちゃん)、白鳥の湖(コウセイ)、金閣寺(ハルト)、オリバーツイスト(リキ、カズキ)と、全ビリーズのその後を見ることが出来た。
ここから。
どこに行けるのか？見守りたいです。
