偏食観劇屋

色々見たい、偏ったエンタメファン

FREESTYLE2020

行ってきた。

なんか久々に東京の夜景楽しんだなーと。六本木ヒルズの展望会夜に行ったことないかも。そんな夜景に気を取られつつ満喫してきた。

まずはカフェ。展覧会のチケットを取る時にカフェも予約できるパッケージプランみたいのがあって、混んでるだろうに外食なんてやだよ、と完全スルーしていたのだけど、追加受付があってたまたまいい時間があっておまけにその場で食べなくて良さそうだとわかって購入。正解だった。まさか作品展示があるなんて。たった2作だけど撮影もOKだった。

そしてカフェなんぞなかった。椅子もテーブルもなくて配給。なんだ、余計安心!

その後そそくさとパイナップルジュースを飲み干し展覧会の列へ。一応番号順に並ばされだけど単に分散させるためだけかな?

作品は初回、2回め、新作とマークが付けられていてとてもわかりやすい。こんなの見ただけわ?というものもあった。子供の頃の作品やら美術の課題やらはかなり人が集まってたけどやっぱり見たいよね。

ドラゴンボールの絵を描き始めたのは小学生かな?もう美術の授業(中学だよね、きっと)の頃には才能発揮してて上手い。靴の絵?版画?みたいなのが流石だった。緑の公演の水彩画もうまかったなー。見たことあるようなないような。当時もかなり混んでてなかなか見れなかったと思う。

過去作品ではつぶつぶの若冲に影響されたっぽい子供の絵が嬉しかったなー。割と空いてたので間近で見れた。当時見た時は双眼鏡で少し離れたところから見たのだけど色の洪水にびっくりしたんだよね。なぜならこの絵、ドットの1番上にシルバーの絵具を使ってるから。光が反射して一見白っぽい作品に見える。でもドットのベースはカラフルで、それが間近だったり双眼鏡だったりで見るとシルバーより前にぐんっと出てくるの。すっごいきれい。この人この効果わかってて書いてるのかなー?って。

書いてる時はかなり接近して書いてるだろうから、そのカラフルな世界は大野さんが見ていた世界なんだよね。もちろんたまに引きで見ただろうけど。

また見れてよかった。

あんなに大好きだったたつのおとしごは、経年なのか、照明のせいなのか、インクの艶々した感じが分からなくてあれえ?という感じ。むしろ上海で使ったらしいアレンジバージョンが良かったな。

新作はまたも新たな才能を発揮しててワクワクドキドキしまくりだった!正直なところ、新作の抽象画たちの方が単純に私の好みだしね。

多分目玉作品は黒で塗りつぶしたキャンバスに白の線で書き込んだ細密画だと思う。人もなかなか移動しなくて見るのも大変だった。相葉さんの名前だけ見つけられなかったけど嵐の人の名前の漢字を入れて、よくわからんイケメンや、宇宙飛行士や、建物や、嵐メンバーなのかなーという変な5人衆や、とにかくいろんなものが書き込まれてた。

その中でも目を引いたのはニワトリっぽい絵。若冲が喜びそうな変態的細密画でひどくすごい。食い入るように見てしまう。

でも左下に、まさに5人の人物が書いてあるその下に平仮名で さ よ う な ら って書いてあったの見てなんとも言えない気持ちになったり。意味を、探してしまう。

ひとつ作品と関係ないところでヒャッハーとなったのは作品を運ぶための木箱をそのまま展示エリアの内装に使っていたこと。ヤマトのタグが貼られててFS・・ってなる描かれてたり作品名と小さな写真付いたシールが貼られてて、リアルなの。大野さんちから、あるいは事務所から、あるいは亀ちゃんの自宅からおくられてきたのかな?っていうタグがついてて、それを作品を飾るパネルとして、動線を作る壁として使われてて、このセンスいいわーと思った。美術展をどうデザインするかって課題は個人的に気になるところなので。

で、新作です。

もう目玉は触れたけど個人的に好きだった作品が3つある。

その前に一つ気になった作品。見てて飽きない点では好きと言えなくもないけど絵としてはやっぱり好みじゃなかったので別枠で。目玉の作品に似たテイストで細い白い線の細かい絵柄の作品なんだけど、ひととおり全部白の線で書いてから、白の上にカラーで線を引き出してるものがあって。ぱっと見ネオンカラーの作品に見えたんですが。

字の色(黒?忘れてしまった)に赤や緑を直接じゃなくて白の線の上に引いてるの。でも白のまま残してる部分もたくさんあって。その匙加減とか、一瞬下に白があるのがわからないくらい慎重に引いた線とか、出た!変態!って感じで感動した。ほんのり白い線が下に見えてたり透けてたりで、色が浮き上がって見えるんだよね。

大野さん、こういうこと理屈でわかってるようには思えないんだけどやりながら発見してるんじゃないかなって思うし、やってみることができる感の良さを感じる。やっぱり天才。

では好きな作品3つについて。

最初に見たのはランタンの絵。キャンプで使うランタンです。もう最近の作品とわかる。それだけでニヤついてしまう。大好きなんだなーって伝わる。

で、正直な荒々し過ぎて色とか濁っちゃってきれいじゃない。絵具がどっさり乗っててタッチも荒々しい。でもその混ざり合った色のある一部に黒の線が引かれてることに気付いて。みるとだいたい絵の1/3くらいの範囲に神経質に引いた黒の線が広がっている。うわあああっと勢いで載せた絵具の境界をなぞるように緻密に線が引かれてるの。

絵具は混ざったり混ざらなかったりで、境界も複雑、でもきっちり引いてある。もうその変態っぷりにやられた!一見そんなの見えないの。離れて見てたらさんなんて見えなくてでも色味はほのかに見えるから少しくらい影の部分、その程度。でも近づくと変態が見えちゃう!

心の中でうわーうわーあれやばい!!と思いながらも他の作品を鑑賞し。

そしたらひとつ今回たくさん描いている抽象画の中ですっごくきれいな作品を見つけた。抽象画ってよくわからないけど私はきれいと思えば勝ちと思っていて、その点でとてもきれいだった。買いたい、うちのリビング(そんなものないけど)に飾りたいと思うような。

ベースをかなりラフに3色に色分けしていて、その上に線ががたくさん走っている。ベースもベタ塗りじゃなくてぬけ感があったり透けてたり、絶妙なバランスでとてもよかった。ランタンと三色は後でもう一回見ないとダメだ、と進んでいくとそのコーナーの最後にまたとんでもないランタンの絵が待っていた!!構図はまるで一緒。なのに最初のとは違ってかなり洗練されてて、盛るように塗られてた絵具はさっぱりめ、色は信じられないくらいきれいに進化してて、で、あの黒のラインが全体に満遍なく描かれていやがった!!あのラフなランタンが完璧に仕上がってた。その技術力とセンスと執念に、もはや楽しくなってしまった。

と同時に、完璧なんだけどあの荒削りなランタンも愛おしい…と泥沼化。プリミティブなマエノランタンか?計算し尽くされたパーフェクトランタンか?飾るなら断然後者。でもそれでいいのか私?!パーフェクトランタンはお行儀良すぎではないか?

そんなことを思いつつ楽しみました。

そして最後の映像作品。こんなものまでやっちゃうのか!石井竜也か!

かっこいいのかシュールなのか、芸術なのかジョークなのか、混乱させられたまま時は過ぎてしまう。

でもそれ見ちゃったら心の底からこれから好きなだけ楽しんでくれよなっ!!と思ったし、新しく何かを生み出すかもしれない。どこまで大野さんの監修なのかわからないけどセンスの塊すぎるんだよ。

やっぱり私の好きな大野智だなーとニヤニヤしちゃった。