偏食観劇屋

色々見たい、偏ったエンタメファン

まっす×古山

ストレンジ・フルーツを見てきた。

オープニングからいきなりプロジェクションマッピング

あれ?

私、何見に来たんだっけ〜?という気持ちになった。

そしてドラマか映画のようなはじまり。

スクリーンがどーん!とステージ真ん中にあってキャスト紹介がされる。

映像を使うのって他にもあるけどここまでガッツリスクリーンが出てくるのは初めて見た。

で、ああそういう系の演出かな?と。

ストーリーはエンディングから遡るように展開していく。

最初のシーンはかなが自殺して千葉がストレンジフルーツを完成させるところから。

ここ、最初だったのもあるし3階席からは死角が多いのに芝居が客席やステージの際(ステージ中央の施設には門に施錠がされていて入れないという設定…3階席つらっ)ばかりでわけがわからずちょっと放棄しちゃった。

1回しか見ないのにそれがもったいなかったなー。

せめて自殺のシーン、しっかり双眼鏡で表情を見ておくべきだった。

なぜかなが自殺をしたか、なぜ千葉がストレンジフルーツという残酷なアートを完成させたか?

それをたどる過去への物語ってわけです。

まぁサスペンスっぽい香りがプンプンです。

そしてチャプターが6〜1へ戻って行く度に暗転代わり(セットは変わりませんが)の映像がスクリーンに流れる。

すごくいい感じの映像なのだけど、生のお芝居であまりに映像多用されるとズルい!ってなるよね。

2〜5はメンバーが1人また1人と挫折していく過程がメイン。

ここが本当に辛くて、この舞台を選んだことを後悔しまくってました…。

ストレンジフルーツか、オダサクか、キフシャムか、シルバースプーンか。

どれも見たいけど全部は見れないからどうしようって思ってて。

でも古山さんいるし、まっすの舞台初めてだし、しかもちょっと冷徹な役って!って決めたんだよね。

女子の芝居がどうも・・・好きになれなかったな〜。

主演?の子だけがすごくよくてあとがみんな微妙すぎた。

特にファッションデザイナーの子。

ファッションデザイン以外何もできない常識が備わってない変人の設定なんだけど、なんか魅力的じゃない。

うん、芝居が下手か上手いかというよりそのキャラクターが魅力的かどうかだな。

かなちゃん以外みんな魅力的じゃないんだよね。

変人の集まりだけど、役に魅力がないと(それが悪役でも惹き付ける何かがないと)見ててキツい。

おまけに古山さんがしょーもない役でさーーー。

もっと魅力的な役者さんなのに・・・という残念さが。

でも最後のチャプター1できましたよ!

この舞台最大にして唯一のいいシーンが!!

このアートスクールに入ってくる初日のシーン。

そこで初めてかなと千葉とええともう1人千葉の相方が、くらまに推薦されてやってきたメンバーだとわかる。

もっというとストレンジーフルーツというアートを作らせるために集められたということがわかる。

かなは写真が取れなくなったカメラマンで心臓が弱く死期が近い。

夜の公園で幼い頃に出逢った千葉は、かなをずっと愛しているのに拒否をしている。

それはかなでストレンジーフルーツを作りたくないから。

だけどかなは自分が死んでも忘れて欲しくないから千葉にストレンジーフルーツを作って欲しい。

焼き付けて忘れないでほしい。

この2人のやり取りが、ものっすごくよかったT_T

携帯小説か!って突っ込みもあったけど、そして私そういうの嫌いなんだけど、とにかく2人の、まっすの切ないの表現がたまらなくて。

三脚に立てたカメラの上にかなのてと千葉の手が重なって。

ストレンジーフルーツを作るんなんてムリだよ、と悲痛の声を出すまっすがもうT_T

ストレンジーフルーツは愛してる人で作るんだからお前じゃないっていう千葉に「わたしのこと好きでしょ?」ってこちらも悲痛なかなちゃん。

かなちゃんの後頭部に手を回してちゅーー><

切なさMAX

切なさ担の私にはたまらんかった。

急にここだけぐっと引き込まれて泣いちゃった。

なんていうか、歌であれだけ表現できる人だもんね。

声の表現力がすばらしかった。

まだまだ動きは不自然で、野田さんに言わせれば歩くこともできてないけど。

ああいうお芝居をもっとさせたくなる舞台でした。