父ちゃんとウィルキンソン先生は対比が明確で面白いので細々と残してみる。
橋本父ちゃん、まず初見でビックリしたのは、滑舌が良いのでこんなこと言ってたの?と新鮮に感じるくらい全てのセリフが明瞭だったこと。それから今回の演出で少し変わったようだけど、古いフォークソングもhe could be a starもしっかりちゃんと歌っててうま!となった。
やっぱり台詞は伝えないと意味がないのでここは軍配があがるなと思う。また怒鳴るシーンの間合いがきちんと意味を持ってることが伝わってきて、面白味や怒り、呆れた様子がわかりやすかった。怒鳴っても常に明瞭だし、素晴らしい。どこまでもかっこいいところも、益岡さんとも吉田さんとも違う父ちゃん。
コメディセンスもよくてオーディションのママたちとのやりとりは毎回笑っちゃう!オホホホと真似して笑うの最高だよ。
ただ少しクールな印象で、もう少し不器用な愛を見せて欲しいかなあ。
益岡父ちゃんは愛情あふれる感じと朴訥とした感じが素晴らしい。酔いどれの老ぼれ感がすごい!クリスマスシーンでdeep into th ground前のへべれけな感じがうますぎて。トニーにやめとけって言われてもヘラヘラ笑ってるのとか、情けないのに憎めない、匙加減が素晴らしい。ラストの旅立ちのシーンでビリーのスーツケースをじっと見つめるのとかグッとくる。愛の人。
ただ怒鳴ったり怒りまくるシーンでは台詞が走り気味で聞き取れなかったり間合いがしっくりこないこともある。
ゆずキンソン先生は初演よりずっと良くなった。母性が出てきたと言っている友人がいたが、台詞に情がこもってきた感じ。本人の役作りでは、結構いいところまで行ったけど途中で挫折してしまったというキャラらしく、すきあらば目立ちたい、真ん中に立ちたい感じは面白いと思う。イージントンで浮いた存在。あと興奮して怒鳴り散らす時の勢いがいい。アングリー前のシーンはすごく好き。誰にも止められない勢いがあのシーンには必要だと思うから。
どうしてもあそこは映画のシーンが浮かんでしまって、ビリーの怒りの一つに「自分のことをほったらかしで大人同士で揉めてる」ことがあると思うんだけど、ヒステリックに怒鳴ってないと勢いがなくてあー!うるさい!!ってビリーの気持ちに繋がらないように思えて。
あととにかく身体能力が高いのでダンスシーンが魅力的。ブギーの側転もきれいだし、ビリーのリードがいつも素晴らしい。リード慣れしてる。
のどを初日からずっとやられてるみたいでそこがちょっと残念。
あらキンソン先生はもうヅカ出と思えないほどの場末感と貫禄がめちゃくちゃ魅力的な人。歌の迫力が素晴らしいし、ゆずキンソン先生と違って早々にセンターに立とうなんてこと諦めてて、でも教えるくらい出来んのよ、ってな感じ。
ただすこし台詞回しがもたつくので勢い大事なシーンで間延びしちゃうことが。
ビリーエリオットのセリフってしっかり英語的な言い回しそのままなのですっと言わないともたついちゃうんだよね。ひとつのことを言うのに長いセンテンスになってるのかな?
おばあちゃんも、シーンによってだけど対比が興味深いところがある。グランマソングだと"戻らない素面に"の伝え方。根岸さんは1回目も2回目も、そんなに変わらないけど、阿知波さんは1回目はすごく冷めた目をするの。辛い毎日だったことをやっぱり恨む気持ちがあるんだろうなと感じる。でも2回目はビリーを見て微笑んで歌う。そんな辛い生活の中にもビリーというかわいい孫を得られた喜びを感じてるような。その日の気分ではなくきっちり決めて演じてて好き。根岸さんは"くれてやるのはこの指一本だっ!"がいいんだよなー。あとクリスマスシーンでフォークソング聴いてる時すごく辛そうな悲しそうな顔してる。サラの母親なのかなと思うくらい。メインは父ちゃんのシーンだけどあそこすごく好き。
他もwキャストはあるんだけど特徴的なのはこの3枠かな。