偏食観劇屋

色々見たい、偏ったエンタメファン

ビリーエリオット2020


全体的に抑え気味の表情と、エクスプレスやブギーで弾ける笑顔なのが印象的な出日寿ビリー。今日はシャインも一瞬めちゃ楽しそうに踊ってて、悪態ついてる割に楽しんでんじゃん!なんかそういう片鱗見せるっていうやり方もいいなーと思えたのが2020年再演版の収穫のひとつ。これは太一ビリーも同じで、イヤイヤやってるというのが今までのイメージだったけど、結局来週も来ちゃうくらいにはダンスにハマったと考えるとこれもありなんだなぁと思う。


今日も安定の間違いないダンスで、ソリダリティのピルエットも余裕の3回。まだビリーとしての前半だからやりすぎないよう抑えたかな?エレクトリシティは最後のピルエットまでが既に凄すぎて、何回転とかもうわかんなくなっちゃった!まず回転スピードが速いからふあああ!!と圧倒されてるうちに終わってる。出し切った!やり切った!いつもよりたくさん回ってた。ここはもう何もセーブせず見せられるもの全部見せてくれた感じで見てて気持ちよかったなぁ!

ドリームバレエもきっちり踊って、最後のシェネもフライングになれたのかくるくると小気味良く決めてくれた。


アングリーも、初日はタップが軽いなーなんて思ってたのにいつのまにか力強くなっていてあの小さな身体のどこにあのエネルギーがあるのかというくらい。ファイナルに相応しいビリーだった。


なのにまさかのラスト、スーツケースが閉まらない事件?に巻き込まれ歌は進んでくのにスーツケースと格闘してて焦っちゃったよ。どうやらマフラー挟んだらしいのだけどコート着るのも間に合わず限界!ってところで半分袖通した状態で父ちゃんに飛びつき、そのまま肩車。父ちゃんの方の上でようやくコートを着るという、愛らしさもたっぷりなビリーだった。完璧!かっこいいで終わらないところもらしさなのかなーなんて。

でもこれからはバレエ一筋なんだろうから、こんな愛らしく素晴らしいビリーを演じてくれてありがとうという気持ちになった。きっとこの経験はバレエの表現の糧になるはず!と思いたい。


千秋楽にして大阪唯一の端席で、裏クリスマス が見えたのも、なんだかちょっとしたプレゼントだったな。まさかビリーがバーで待機してるとは。


実はスーツケース事件以外にも思わぬ事件があり、2幕最初のシーンではしゃぐ中井トニーがナンとコインをぶちまけてしまった!そのナチュラルお茶目にぐはっと掴まれる私。トニーって映画だと舞台版より愛嬌があるキャラだと思うんだけど、そっちのトニーに近いものをどことなく感じる中井トニー、最後の最後にそのかわいらしさを発揮してしまったね。ちまちま回収するトニーを微笑ましく見守る客席。いい雰囲気だったな!


昨日他のキャストたちはマチソワでしっかり見たので、今日は席が遠いのもあり、出日寿に集中して見てた。歩夢も見た回数が1番少ないマイケルだったから、今日はちゃんと見ようとビリーとのシーンの細やかな表情まで見逃すまいと双眼鏡を構えて。別れのシーンの表情はやっぱり良かった。最後の最後は別れの辛さを乗り越えて夢を追って去っていくビリーを眩しそうに愛おしそうに見送っていて、ちゃんとマイケルとして生きたんだなぁと思った。


カテコでは予告されていたのにすっかり忘れてたから4人揃って立ってるのを見て思わず声が出そうになってしまった。今回ファイナルを見れなかった海流も、泣き笑いで心を掴まれた調も、予想外の台詞回しで驚きをくれた太一も、圧倒的なバレエで魅了した出日寿も。キラキラの笑顔で、ちょっと居心地悪そうにはにかんでてかわいくて愛おしかった。


みんなお疲れ様でした。

ゆっくり休んで好きなことして、またそれぞれの道で活躍してね。幸運祈っとるよ!