偏食観劇屋

色々見たい、偏ったエンタメファン

レオポルトシュタット

見てきた。NTLも上映が決まってて、日本語の上演もある、という貴重なチャンスを逃したくないと、1番安い席で見てきた。とは言えセンターのいいところでブルーベリー&ルテインサプリを仕込んでいったら双眼鏡使わなくても大体よく見えた。

 

全然話の違うリーマントリロジーという印象だった。最初から最後まで登場人物はあまり変わらないからあそこまで長い期間の話ではないのだけど、中心となる世代が変わっていき、世代間もギャップもあるところがそんな印象だったな。

 

でも結局どの世代にも差別の苦しみがあって、もうそんな時代じゃないと思ってるようで、息子を密かにアーリアンであるように工作したと明かすシーンは辛かった。今もそういう表向きの建前はあるものの、裏側では色んな差別が横行してるよね。

 

なかなかすごいなと思ったのは最後の世代のシーン。NTLの男の子の写真はこの子で、そしてトム本人なんだろうな。

幼い頃にイギリスに逃れ、ユダヤ人かどうか気にしたことなんてなくてイギリス人として誇りを持ってる。苦しみをほとんど知らずに育てた環境。

トム ストッパードのことを知らないけど、自分に迫害された記憶がないことに何か気後れというか、家族親族と思いを共有していない虚無感があるのかなぁと思った。

 

手の傷をきっかけに思い出を共有するシーンも良かったけど、その前の全く噛み合わない2人の会話も良かった。おばさんの絶望も。

理解できずに生きて来られたことは幸せだけど理解をしなくちゃ良く生きられないよな、なんて考えたり。

面白かった。