東京前楽にしてやっと。
それで今日はレポを漁ってたんだけど、みなさん深読みが素晴らしくて
鴻上さんってそういう人だったのかと20年来の発見に心躍らせております。
私は鴻上ワールドが大好きだった。
実際の舞台を見たわけじゃなくて、ただひたすらに脚本を読んでいたんだけど。
別の誰かが演じてるのを見たことはあったけど、あの熱狂を知らない。
知らない故に思いが強すぎて、大人になって見た鴻上ワールドはもう過去のものだった。
感傷と懐かしさにただ涙するだけで、あれもこれもスイートでファンタジーで大人の私にはあわなかった。
だからね、本当に今回は迷った。
こんなに迷って、私はもうてっきり見に行かないんじゃないかと思ったんだけど土壇場で覆したよ。
みやっちを見たかった、そのことに関してはものすごく満足している。
私は正直心配などしてなかったけど、予想以上に持ち味を活かしたいいお芝居をしていた。
私はみやっちを王子様!!なんて思ったことはないけど、王子役と聞いてきっとハマるだろうなと思ったし。
実際劇中でサラリーマンをしている時よりも王子の時の方がずっとずっと素敵だった。
多分ジャニーズってファンタジーの方がハマるのかもしれないね。
立ち方の自然さが全然違った。
サラリーマンの時は、いわゆる歩けてない、立ててない状態でああ・・と思ったのだけど
王子になった途端、立ち方も振る舞いも様になっていた。
元々いい声をしているから台詞もよかった。
それからあの優しい笑顔と頼りない雰囲気がとても役にハマっていた。
鴻上さんらしい突然のダンスシーンと歌うシーンは健在で、その時のみやっちはマジで輝いてたし!
鴻上さんの舞台のダンスで、あんなにかっこよく踊った人なんて今までいたの?!
私は見たことがない!!
ちょっとあれは危なかった!うわあああ[emoji:i-189][emoji:i-189][emoji:i-189]って。
歌も誠実そうな声が私は好きだよ。
いけめんですねの歌、本当によかったもの。
王子様の扮装もそりゃあお似合いで、ジャニーズってみんな王子様なんだね〜と真顔で思った。
で、心配していた内容。
彼方が序盤のシーンで「民に演説をする!」と言い出した時はあ〜、やっぱりそっちへ行くんかとゲンナリしたんだけど、そういう展開ではなかった。
暴走して演説をかますヒーロー気取り
しかしそれは失敗に終わる
男と女のありがちなすれ違い
しつこい下ネタ
苦手な展開がどれもなかった。
思えば私は鴻上さんの新作を見たのが第三舞台の復活解散公演が唯一なんだよね。
そしてそれは10年前の第三舞台の10年後の為に書いたもので、あの頃感があるのは当たり前なんだよね。
そういう意味で現代の役者に向けた新作を見たのはこれが初めて。
ひとつ感じたのは、鴻上さんはすごく優しい人なのかなってこと。
つまり話の展開や台詞がとってもわかりやすくて親切だった。
ファン層を見越してそう書いたのかもしれない。
もちろん前述のように、深読みしていけば色々なメタファーというか関連性が見えてきて深いことは確かなのだけど。私のようにそれに気付かずに見終わる人もいるだろうけど。
そこを理解してなくても舞台は理解できる。
名前に意味があるというのはついったーかなんかでうっすら目にしていたけど考えようとしなかったな。
私がこの舞台をわりとすんなり受け入れられた代わりに、えぐられるような感情を持たないまま終わったのはそこにあるのかなぁと思った。
私は鴻上さんを深読みする相手と思ってなかったみたい。
野田さんの舞台は難解がゆえに何日もひきずって、色々調べてみたり漁ってみたりするのだけど。
鴻上さんのはわからなくてもわかってしまうがゆえに(というのはこの新作においてだけど)深読みしないで終わらせてしまったんだよね。
まぁでも、次があるとしたらやっぱり出演者基準だろうなとは思う。
私にとっては過ぎし日々の中にいる人。
どんな着地点だ?ってことですが。
いや、まとめるとキスマイ&えびちゃんたちはどんどん外部舞台に出るべきだよ!
君らずっとジャニーズのぬくぬくと閉鎖的なところで育ってきたけど、デビューしたのだからネクステ行くべき。
そこをまさかみやっちが切り込んで行くとは思わなかったけど期待大です!