偏食観劇屋

色々見たい、偏ったエンタメファン

BETM live(1幕)

見どころしかないミュージカルで映像だけど、ここ!ってところを羅列してみる。

オープニングの映像。

真っ黒な顔の炭坑夫達にまず泣ける。強気な視線が印象的。必ず殺風景を思い出すシーン。

ビリー登場。

まずね、毎回Elliottくんの脚の長さにびっくりします。

それからマイケルとの会話。大人が言うようにサッチャーが悪いんだ、と何の疑問も持たないビリーが、周りの大人の影響を受けて育ってるとわかるシーン。それが当たり前。荒っぽくてプライドと自信を持ってる炭坑夫のうちの子供って感じ。対するマイケルはサッチャーが何をした?って。彼は自分の感性で物事を捉える子供とわかる。

みんなが去ってひとり歌いながら踊るシーン。

small boyがいるんだけどね。

あのダンスとは言えない踊りがいい。まだバレエに出会う前のビリーだけど、踊る心を持っている。心体技のひとつは最初からあるとわかる。

ボクシングレッスン。

威嚇だとか言いながら踊り出すビリー。観客を掴む方法を心得てるElliottくんとZachくん!small boyも笑いを取っててさすが!この子役たちすごいよ。

バレエとの出会い。

巻き込まれて踊るシーンは楽しいけどグッと来るのはその後。

見よう見まねで踊って、女の子にヘタクソと言われてしまったけど多分ビリーはこの1回の経験でダンスに落ちてしまったんだと思う。形にならぬダンスをひとりで静かに踊るシーンはビリーの心の風景なのかも。鳥が羽ばたく様子を手で表現してるのも印象的。この後のソレナリニでも出てくるしelectrcityの歌詞にも出てくる。

警官隊と炭坑夫とバレエレッスン

ここは本当に素晴らしいシーンで且つとても舞台らしいシーン。映画ではやる意味もないと思う。

どなたかが映画とミュージカルの印象の違いに触れていたけど、映像的表現と舞台的表現は絶対同じじゃないはずなんだよね。だから映像的演出をしてる舞台はつまらないと思っちゃう。そういう舞台に出会ってしまうこともある。

同じシーンの作り方でももちろん違うんだけど、クローズアップするところも変わってくる。

炭坑夫の切なさやるせなさを強調した舞台だったり、デビーとのシーンの色っぽさを強調した映画だったり。ラストシーンを成功した大人のビリーで見せるか、旅立つところで終わるか。

そういう意味でとても舞台らしいいいシーンです。

警官隊と炭坑夫の荒っぽい対立の中で同時にチュチュをはいた女の子達が踊る。

その間でどんどんバレエにのめりこんでいくビリー。

ピルエットができなくてダメ出しされて落ち込んだビリーが初めてのシェネを華麗に決めるところ。

そして何と言っても好きなのがアティテュードプロムナードの練習のシーン。

みんなの真ん中でヨロヨロになりながらなんとかやってみるビリーが次第にバランスを取り始め、バレエらしい形になる。

それを見たウィルキンソン先生が思わず姿勢を正し始めて。肘の位置やお腹を締めるように正していくのだけど最後の最後、ビリーが自らchin!あご!って言って自分で直す。その時のキリッと顔を上げる表現がとてもいい。

ビリーは自分で気付いて直すんだよ。

ほんとここグッとくる。シェネが出来たことやアティテュードプロムナードができたことより、自分で気付いて直せるということにどれだけの才能が感じられるか!

それに自分で気付けたことの喜びも大きいはず。

ビリーが何かを掴んだ瞬間でもある。

おばあちゃんのシーンは右側の男達が気になりすぎるので生で見る時はしっかり見てこようと思う!

最後おばあちゃんの手にキスするビリーが可愛くて。あの役者さん、かわいい孫…曽孫がたくさんいていいなぁ!

ブギーのシーンは伴奏の役者さんがすごいところ!

このミュージカルの魅力のひとつって、普通のおっさんやおばちゃんが歌って踊れること!イケメンがキラキラした衣装で踊るのとは違って、冴えない見た目、太ったひと、薄汚れたツナギやただのジャージ姿なんだよってこと。なんだったら振付だってカッコいいわけじゃない。それがこんなに眩しくて魅力的だということが素晴らしいと思う。

生きるってキラキラしてるね!

あとこのシーンはピアノからの側宙が見ものです!

あれできないビリーだっていたんじゃないのかなぁ?バック転できないビリーがいたくらいなんだから。←ある時からできるようになる、そんなのを見守れる舞台でもある

父にバレる。

バレエをやめろと言われて口答えするビリーの強さが好き。親の信じることを信じ、やれということを好きじゃないのに続けていたビリーが譲れないものに出会い、大人に主張するシーン。

マイケルの秘密

ここはひたすらかわいいしかない!キュンキュンする!

Zachくんのコメディアンぷりが尋常じゃないし、歌上手いしタップも楽しいし最高なのです!!

リップ塗られそうになってo!no!って言うElliottくんに萌え禿げる(((o(*゚▽゚*)o)))

2人の子供の高い声がそれだけで楽しくなる!

秘密の特訓

手紙のシーンはやはり外せない。Elliottくんの子供らしい魅力がたっぷり詰まったシーン。

泣き方がズルいよね。

トイレのシーン

僕に気があるの?とか見たい?って言われて断るとことか、表情がいいよね!笑っちゃう。

ほんとElliottくん、役者だよなぁ。

バレエダンサーではなくミュージカルスターになりたいと言ってたけど納得だよ。

子を思う父親。

トニーがバールを持ち出すシーン。

炭坑夫と警官隊の争いが激化し、怪我をしても病院にすら行けない緊迫した状況。

仲間が怪我をしたということは出て行けばトニーも怪我を負うことになる。だからこそ行かせたくない父親の気持ちがまるでわからないトニー。

切ない(´・_・`

オーディションもバレる。

ウィルキンソン先生が乗り込んできて、ビリーは家族には言いたくなかったのに話してしまうシーン。

覚悟もないまま向き合わなくてはいけないビリーが、それでもきちんと大人に向かってバレエをしたいと言う。

オーディションを受けることを言われたくなくてなんとかウィルキンソン先生を帰らせようと必死だった子供のビリーがひとつ大人になるシーンでグッとくる。

それからトニーに踊れと言われるところ。

テーブルの上に上げられて、男がバレエ?と鼻で笑われて。幼いながらも持っているプライドをめちゃくちゃに傷付けられたビリーが痛々しい。

あのNoの切なさと言ったら(>_<)

ママがいたら?と言い出すビリーをもう死んだんだ!と黙らせて去る父親にビリーは怒りを爆発させる!

踊ってやるよ!

Angry Dance。

いよいよ深刻になってきた炭坑夫と警官隊と争いと、ビリーの心の叫びがとても舞台らしいドラマチックな演出になっていて心が震えるシーン。

ずっと美しいバレエの特訓をしてきたビリーが、荒くれた形にならない踊りを衝動に任せて踊るのがたまらない。

バレエを禁止されたことにも、よくわからないこの街の騒動にも、わかってくれない家族にも。

叫び声を上げて、体を痛めつけるような振付。

最後床に倒れて見せる虚無な表情と、立ち上がって去っていく姿が痛い。