偏食観劇屋

色々見たい、偏ったエンタメファン

逆柱

今まで、演劇フリークや批評家ほどは見てないけど、それでも結構な数の舞台を見てきたと思ってます。が、こんな経験は初めてです。

公演中不快で不快で何度席を立ちたくなったか。

それでもこの不快さには意味があると感じさせてくれるはずだと信じて最後まで見ましたが、何も意味はありませんでした。

ただ不快さだけが残り、何のために見せられたのか?何のためにこんな作品を作ったのか?何が言いたいのか?何一つ伝わらない作品だった。

役者たちの芝居は達者だけに、金返せ!とは思わなかったんだけど、むしろそれがスッキリしなくて澱になって溜まっている。

救いがないから不快なのではない。

そもそも救われたい人が出てこない。

ただ、リンチシーンを再現してるだけの舞台。それに対する怒りも悲しみも諦めももちろん賛同も、何一つ見えてこない。ひたすら暴力だけをしつこく見させられただけで苦痛で仕方なかった。これを楽しめる人がいることが不気味なくらい。

自分が嫌いな作品を好きだという人とも私は話ができる(聞ける)と思っていたけど、これを好きな人とはお芝居の話はできないな。無理無理。

追記

なにかを伝えるつもりだったのだとしたら、それは多分稽古場にしか存在せず、舞台上には存在していなかった。もう一度言わせてもらうけど私は真剣に舞台を見ていた。少しでもなにかを見つけたくて。この体験が意味のないものにならないように。誰かのためではなく自分のために。

そこまでしてさえなにも見つからなかった。

もっと客観的に見れる人が必要ではないかな。