偏食観劇屋

色々見たい、偏ったエンタメファン

アギト

見てきた。

壮大な物語すぎて心配してたのだけど、まあその心配は当たってたかなぁ。1番残念なのは蒸気と電気、エネルギーの違いについて全く舞台上で語られなかったことかな。なんかそこは結構期待してたのに電気の衝撃もあまり伝わらず、蒸気については完全スルー。前情報でだけ出すというのはずるいし、それはちゃんと舞台で表現して欲しい。

それ以外も急にドラッグクイーンが出てきたりして欲張りすぎて、本筋に関わる人たちの心の変化や思いがお芝居として表現されてなかった。あと単純に達者な役者さんが少なかった気がする。あの中では佐野くんがダントツにお芝居が良かった。この物語の要であるマダムが全く説得力なかったのがそもそも辛い。あれは単にお芝居の上手い下手だけでなくて、戦争話起こしてまで最愛の息子を取り戻したいという狂気じみた心情を伝えるシーンがないからだと思う。その上で渾身の演説に説得力を持たせられるほどのお芝居も出来ないので…つらかった。

良いなと思ったのは戦争するどちら側も肩入れしたくなるような正義っぽさがないところ。どっちにも肩入れしたくならないというのは戦争モノとしては正解なんじゃないかなと思う。あと力を持ったら試したくなるみたいなエンゲルの台詞はなんだか妙に説得力があって、動機としてすんなり受け入れられた(共感はしてない)。

ノアを探してたチャイニーズ風の人物の意図もよく分からなかったな。

やっぱり蒸気と電気、ここに集中して掘り下げて欲しかったなぁ。そのアイデアは最高にそそったのになあ。

 

あと笑ったのは登場人物の名前。大体架空の世界の架空の国家だと思ってたのに思いっきりキリスト教ってのがなんかえええ?!ってなったし。

主の祈り始まるし、ノアなー。ニーチェに神はいるのかとか聞かないで笑絶対狙ってるよね!

 

ところで初めて登場したアギト、ノアの前で警戒心あらわに唸ってて、どっからどう見ても保護されたばかりののら猫だったのだけど(かわいい)、後でノアに子猫ちゃんみたいかわいいって言われてて、私の感性正しかった笑ってなりました!かわいくて正解だったんかー