偏食観劇屋

色々見たい、偏ったエンタメファン

ファンでない人のファンの不思議を私は理解できる。なぜなら中で体験してその魅力を知っているから。

なぜタレントではなく事務所のファンになるのか。この事務所というのは運営ではなく、正確には所属タレントのことだ。

FCがファンクラブではなくファミリークラブだったり本人達がやたらファミリーと言ったりするのは、運営の戦略だ。私達は誰か1人のファンになると所属グループが付いてきて(必ずではないが)、さらにJr時代に共に切磋琢磨した他のグループのメンバーが付いてきて、デビュー前お世話になった先輩が付いてきて、デビューしたての後輩が付いてくる。私も昔は好きなグループのコンサートに来たのに一曲削って後輩の歌が入るのが嫌だった。いつしかお得感を味わうようになった。

カウコンは仕事付き合いではない、友人同士としての絡みが見れたり、思いがけない組み合わせが見れたりで楽しかった。他のグループに心を奪われたりバックで踊る誰かに釘付けになったりして、気付くとほとんどのグループのFCに入ってコンサートに行って舞台にも行って事務所担になる。

中には頑なに他の人になびかない人もいるけど、魅力のある人って世界に1人だけじゃないし、どんどん好きが増える人もいる。好きな人の友達だから、好きな人がお世話になった人だから、その理由だけでは好きにならないけど、それを理由に見るキッカケはある。

そうやって売り込むのが事務所の戦略で、それ自体は別に悪でもないし上手いなぁと思ってた。

 

ワンマン経営だからこそ、なんとなく所属タレントも似たような性質を持っていて、1人にハマると他の人も似たような魅力があって、そういう何かがブランドを作っていたと思う。今となってはそれが犯罪のもとにあったのかも知れず複雑ではあるが。

私はそのブランドを愛でていた時があった。ここを辞めたら追わないだろうという気持ちがあった。(自担以外には)

 

あの人の頭の中を具現化したトンチキ舞台が好きだった。確かに変な伝統もあってモヤモヤすることもあったけど、無茶苦茶なストーリーや台詞にイラつきながらも圧倒的な華で押し切る舞台がなんだかんだ好きだった。

 

CMに出るとついつい買ってみようとかいう気持ちもちょっとはわかる。誰でもいい時に決め手になるから。せっかくならと。私が買ったから企業が儲けてるとまでは思わないけど、CMしてるから選ぶというのはあるしわかる。嫌いな企業のCMに出てたらガッカリもする。これが何かイベントなんて企画していれば握手券CDぐらいの効果はある。知ってるし買ったし。

普段食べないガムも、気まぐれでクリアファイルでも貰おうかと買ったこともある。(そこまで好きなグループじゃなかったのに)

 

でもさ、運営の方には最初っから良い印象はなかったんだよね。それは間違いない。中だけの話でも希望してない公園に張り替えた挙句キャンセルできないとか、申込方法が間違ってて無効ですと言っておきながら廃棄で当選させたりとか、チケットを捌くためならなんでもするところとか、色々。いつまでもアナログで手数料取りながらこちらにめちゃくちゃ手間をかけさせるところとか。

Mステに出られない人がいたのも知ってたし、派閥問題もあったし、退社する時の非道さも露骨だったし、出演者をいつまでも発表しないとかせこいこといっぱいやってた。

 

私は私がアイドルという存在に絶望した時のことを明確に覚えてて、多分それがなかったらもう少しあちら側寄りの思考回路のままだったかもしれない。

海外の役者さんにハマってなかったらやっぱりもっとあちら側だったかもしれない。

 

何が言いたいかというと、タレント達にはちゃんと勉強して、ちゃんと自分で考えて、本当にこのままいることが正解なのか考えてほしい。何があってもついて行くしかできないファンとだけ生きていきたいならそれも一つの選択だけど、あらゆる可能性に挑戦したいと少しでも思うなら、そこはいい場所じゃないよ。

 

グルーミングが根強いこともわかる。

異常な環境に子供の頃からいたことも理解する。

けど、今これだけわかってきた以上もう知らないとは言えないのだし、学んでほしいんだ。それでもそこにいる選択をするならもうそれはあなたの責任であって、私はその選択であなたを評価して去るか追うか決める。

そういうのは決して少数ではない。少数派かもしれないけど。